
↑パン・ド・ジェンヌ

↑マドレーヌ
↑パヴェ・ド・ヴニース
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今日は「パン・ド・ジェンヌ」というお菓子のお話をします。名前に「パン」がつきますが、いわゆるパンではありません。れっきとしたお菓子(焼き菓子)なのです。
「パン・ド・ジェンヌ」といってもあまりこの名前を聞いたことがない人も多いかもしれませんが、実は日本ではある意味ポピュラーなお菓子なのです。
「パン・ド・ジェンヌ」はフランスの焼き菓子です。ジェンヌとはイタリアのジェノバを指し、「ジェノバのお菓子」という意味で、ここでいうパンとは、「パン状のお菓子」という意味です。このお菓子は、1800年ジェノバの包囲を記念して作られたお菓子だということです。このときジェノバで食料としたのがお米とアーモンドだったので、「パン・ド・ジェンヌ」には必ずアーモンドが使用されるとのこと。
材料はパードダマンド、コーンスターチ、卵、バターを用い、大きいタルト型のような、ふちが波になった型で焼きます。今回私が作ったものは焼いたとき上になっていた面をそのまま上にして粉糖をふるいましたが(写真上)、本来は型にスライスアーモンドをしいて焼き、仕上げにはアーモンドが見えるよう逆さにして、グラスロワイヤルをして、ウィークエンドのようにテカテカに仕上げるのが普通です。アーモンド風味の効いた、しっとりとふわふわの間のような、微妙な食感のお菓子です。
さて、冒頭にこのお菓子は日本ではポピュラーと書きましたが、ここまで読んでもまだピンとはこないでしょうか。そこで、パン・ド・ジェンヌの形に注目。大きい菊方だとピンとこないかもしれませんが、小さな菊型の焼き菓子は見覚えありませんか?そう。いわゆる「マドレーヌ」です。よく製菓コーナーに行くと、薄いグラシンペーパーで菊型になったものに「マドレーヌ」と印刷されていたりしますよね。
本来マドレーヌとは貝の形に焼いた、少しレモンなどの柑橘を効かせた焼き菓子です(写真中)。どういういきさつでマドレーヌが日本でこの形で作られるようになったかはわかりませんが、菊型で焼くお菓子は「パン・ド・ジェンヌ」の方で、作り方や味もマドレーヌとはまったく違います。
「パン・ド・ジェンヌ」似たお菓子で「パヴェ・ド・ヴニース」というお菓子があります。このお菓子もジェンヌと同様パードダマンドを使い、、焼けたら裏返しにし、アーモンドスライスが映えるように逆さにし、グラスロワイヤルで仕上げます(写真下)。「パヴェ」
とは、正方形のお菓子を意味するので本来は四角い型で焼くのが正しいのだと思いますが、これは丸いマンケ型で焼きました。このお菓子についてはこれ以上詳しいことがわかりません。
「パヴェ・ド・ヴニース」は「パン・ド・ジェンヌ」よりみっしりしていて、アーモンドの風味をより感じることのできるお菓子です。私はヴニースの方が好きです。
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