2003/08 - 2003/10

2003/10/27

 
 エルメの’03秋冬コレクション:テーマはカワイイ

 このコレクションの発表はかなり前にあったのですが、遅ればせながらやっと試しました。

 フランスの巨匠パティシエ ピエール・エルメはまるでファッション・ショーのように季節ごとに新作を発表します。しかも本当のマヌカン(モデル)なのか、お店のスタッフたちなのか、若い女の子や男の子たちがトレイに新作を載せてキャットウォークしてまわっちゃうんですよね。 今回のテーマはなんと日本語の「カワイイ」。なるほど、右上写真(Surprise Kawaii シュープリーズ・カワイイ)のように、ほんとにカワイイお菓子がいっぱいでした。

 ピエール・エルメのサロンは紀尾井町のホテルニューオータニと、舞浜のイクスピアリにありますが、今回はイクスピアリに行ってきました。試したのは右上写真の「シュルプリーズ・カワイイ」と右下の写真の「aztec アステク」。どちらも子供が喜ぶ駄菓子のような形をしていて、特に「シュルプリーズ」はキュートなイラストがデザインされた薄いセロファンに覆われていて、キャンディーをかたどった本当にかわいいものでした。「シュルプリーズ」のその名のとおり、メレンゲの中は驚きの味。レモン風味の酸味の強いクリームとジンジャーの味。でも、意外とマッチしているのです。もうひとつの「アステク」は、クッキーでチョコレートをサンドしたようなお菓子。実は両側の生地はひとつずつ違っていて、一方はメレンゲっぽいもので、もう一方はカレンツかレーズンのようなものが入ったサブレのような生地。そこも遊び心いっぱい。間のチョコレート生地はオレンジの風味がします。エルメによると、オレンジとチョコレートの組み合わせはこれまで下品だと感じて避けていたそう。でもそのタブー(ミスマッチ)に挑戦した一品だったようです。両方とも手でサクサクと食べることのできるカワイイお菓子たちでした。

 今回は、形のかわいらしさと意外な組み合わせに焦点をあてたコレクションだったのではないでしょうか(まあ、意外な組み合わせは彼の十八番ですが)。お菓子の世界では、意外な組み合わせがよく見受けられますが、中には「奇をてらった組み合わせ」で終わってしまっているお菓子もあります。 しかしエルメのお菓子は、意外な組み合わせが意外にもぴったりと調和し、本当においしく仕上がっているのです。こういう能力こそ、彼を巨匠たらしめるゆえんかもしれません。 '04春夏のコレクションが楽しみです。



2003/10/21

 
 和菓子屋さんも載せてみようと・・・



 最近たいやき屋さんを巡っています。今回は人形町の柳屋さんに行ってきました。

  たいやき屋さんも2軒目。ということで、せっかくだから「お菓子屋さんガイド」で、和菓子屋さんのコーナーもはじめることにしました。和菓子のことはあまりわからないので、ほんとにちょっとだけですが。たいやき屋さんに加えて、その他の和菓子屋さんも載せようと思いますので乞うご期待。

 人形町の柳屋さんは、土曜日に行ったのですが(日曜日は定休日)、やっぱり長蛇の列ができていました。軒先では店主のおじさんがリズミカルに1本1本たいやきを焼いています。ずぅっと一人で大丈夫かなぁと思っていると、途中から20代前半と思われる青年に交代し、やはりリズミカルにタイを焼いていました。私がいただいたのはその青年が作ってくれたたいやき。端っこは焦げたりしているのですが、別のスタッフが丁寧にそれを取り除き、売ってくれます。お勘定は、これまた若くてきれいなお姉さんが担当しています。家族経営かしら。

  生地と餡をしこみ、たいやきを焼いて、それを売る。こんなシンプルな商売を、(おそらく)家族で切り盛りする。もし、たいを焼く鉄板を、スタッフを増やせば、もっともっと売れて、もっともっと売り上げが上がるだろうに、そんなことはしない。なんてすっきりとした、素敵なあきないなんでしょう。
 
  おいしいたいやきに加えて、ご主人も若い人も生き生きと楽しげにたいやきを作って売る姿を見るにつけて、ますます柳屋さんが好きになりました。


2003/09/30

 
ミュロが日本橋にやってきた!

 最初は福岡にしかなかったジェラール・ミュロが横浜にでき、新宿タカシマヤにでき、 そしてとうとう我らが(?)日本橋タカシマヤにやってきました!
 ひとことで言って、とてもウレシイです。なんといっても、日本橋タカシマヤ利用率は高いですから・・・。

  ジェラール・ミュロとはパリに本店を置くお店で、お菓子はもちろん、パンにお惣菜と幅広く食品を扱う専門店です(かといってフォションとかそういう大きい館を構えているわけじゃないんですけど)。 パリ一マカロンがおいしいと私が思うお店ですが、詳しくは「おいしいお菓子屋さん」コーナーで説明してございます。

 「フレジエ」という苺のケーキ(写真上)は、パリ店のものは舌がとろけるほどおいしい。新宿で買ったときもやはりおいしいと感じたのですが、今回日本橋タカシマヤで購入したものはそれほどの感動はなかったのが残念です。実は今回、買った後比較的すぐに食べたのですが、もしかするとこのケーキはしばらく置いたほうが(翌日位)クリームと生地がなじんでおいしいのかもしれません。写真下はモンブラン。周りが生クリームで包まれ、中にマロンクリームとヘーゼルナッツが隠れた個性的なモンブランでした。

  厳密にいって、パリの味をそのまま再現しているかというと疑問は残りますが、近くにできるとやっぱりうれしいものです。




2003/09/13

 
 初!六本木ヒルズ(やっと?)



 ヒルズにはほとぼりが冷めたころに行こうと思っていたのですが、つい先日ルイ・ヴィトンがオープンしてしまいました。 あらら、また混みそうだな、しばらくは行かないほうが良いかな・・・と思いつつ、とうとう行ってきました(といっても、ちらりと見てきた程度でしたが)。

 ツタヤとスター・バックスを過ぎると、行列が見えてきたので、あれがこの間オープンしたルイ・ヴィトンかあ、と見ていると、なにやらその手前にももうひとつ行列が・・・。

 じっくり見てみると、なるほど。行列のお店がなんだかわかりました。辻口さんのショコラティエ「ル・ショコラ・ドゥ・アッシュ」でした。

 今回はお店には入りませんでしたが、外から見る限り、店中はダーク・ブラウン(か黒)とオレンジ基調で、ジャン・ポール・エヴァンか、メゾン・ド・ショコラのような感じの高級ショコラティエ風。 さらに覗き込むと、そう大きくないクグロフ型で作られたチョコの焼き菓子に2000円位の値札がついているではないか!!おお、さすが。さらにさらに覗き込むと、奥のショーケースには、おそらく高級チョコレートをふんだんに使って作られたと思われる生菓子達が並ぶ。そのかわいらしいこと。そのきれいなこと。

 これだけの行列を作らせるお菓子を作る彼は、すでに単なるパティシェ・菓子職人の域を超え、別の存在になってしまっているのだと思うが(名プロデューサーもしくは辣腕経営者)、やはりある意味すごいのではないか。



写真上・・・「ル・ショコラ・ドゥ・アッシュ」の看板

写真下・・・そこに並ぶ(主に)女性の方々

 見てきただけのお店の話は置いといて、実際楽しんできたお店は「ミュゼ・イマジネール」。想像力をかきたてるようなもの達が並んだお店?まあ、生活雑貨屋さんですな。

 ここにいがらし ろみさんのコンフィチュール(ジャム)があると聞いていたのでわくわくしていってみると、ありました、ありました。たくさん。どれにしようか悩みましたが、かぼちゃとバニラの風味を買ってみました(写真上。下はこのお店のショップカード)。おいしそう。もちろん試食はまだなので、感想はまた次回。その他、cha yuan(チャ・ユアン?っていうのかな?)という、フランスはリヨンに本店のあるシックな中国茶のお店のお茶がありました!懐かしい(リヨンに一時期いたときお世話になりました)。日本にあるなんて。ということで「ミュゼ・イマジネール」は「ほとんどこのお店にしかない」商品が結構あって楽しかったです。

 あと行ったお店はスタバの奥にある、ジャンルごとに各国の本を集めた書店。洋書といって私が探すのはやはりフランスの文献ですが、残念ながらあまりありませんでした。雑誌はちらほらあったのですけれど。

クッキングのコーナーに行くと、有名な方のざっくばらんなキッチンが紹介された興味深い本(和書)があったりして、しばし立ち読み。ここもなかなか楽しかったです。

 次回六本木ヒルズにくるときは、平日にでも来て、もうちょっと色々見てみたいです。



2003/08/24

 
 雨降る日には・・・たいやき


 お盆休みモード(?)でちょっとばかり更新をサボってしまいました。とはいえ、先週末は関東地区はあいにくの雨に見舞わわれてしまいましたね。次週にはまるで何事もなかったかのように、またしっかりと夏、熱帯夜は戻ってきましたが。

 雨天だからといってせっかくのお盆休みを家にいてしらっと過ごすのもイヤで、 雨にもめげず甘いものを求めてでかけるのです。

 ひさしぶりにおいしいたいやきを食べたくて、四谷の「若葉」へとでかけました。若葉のたいやきを食べるのはこれが2回目ですが、確か初めて行った日も雨が降っていたような気がします。

  若葉のたいやきは皮が薄くてぱりっとしています。あんこは甘さ控えめで塩味が効いていて、さっぱりした味わいでおいしい。店内には数人入ればいっぱいになるようなこぢんまりしたイートインスペースがあります。たいやき1個でも座って頂けました。 たいやきは写真のようなかわいらしいお皿にのせてくれます。やっぱりあつあつをその場で食べるのが1番ですね。

2003/08/07

 
 トルコフェア at 日本橋 高島屋


 日本橋高島屋で8月6日〜11日の期間、日本橋高島屋でトルコフェアを開催していて、ナッツやイジヂクがほしかったので行ってみました。
 催事はこぢんまりした印象で、ドリンクコーナー(ざくろとかあった)、ヨーグルトのお菓子コーナー、トルコ石のコーナーなどがある中に、ナッツとドライフルーツのコーナーもちゃんとありました。

 興味を魅かれたのは、もっぱらそのナッツとドライフルーツのコーナーで、結局そこで2品購入しました。入手したのはサルタナレーズン(表紙の写真)と、左の写真のノワゼット(はしばみの実の仏名、英:ヘーゼルナッツ)。

 両方とも、仏菓子ではおなじみの食材です。サルタナレーズンはクグロフやドライフルーツのケーキなどレーズンを使う場面では必ず登場しますし、 ノワゼットはプラリネ(ナッツのペースト)やメレンゲ生地のお菓子にしばしば使われています。 日本ではあまりなじみのないノワゼットですが、フランスではポピュラーかつ重要な素材です。形はマカデミアンナッツに似ていますが、それよりも淡白な味です。チョコレートのビスキュイに小麦粉の代わりにノワゼットのプードル(粉末)をいれるとしっとりとした味わいになりますし、クッキーなどに入れるとかりかりした食感が香ばしいクッキーになりますよ。ノワゼットがポピュラーな言い回しにまで登場してくることからも、フランスでそれが重要な地位を占めているということを伺い知ることができます。例えば焦しバターのことを「ブール・ノワゼット(beurre noisette)」(ノワゼット色に焦したバター)といいます。

  トルコのドライフルーツで、もうひとつ忘れてはいけないのはイチジクです。フレッシュのイチジクの季節は短いですが、ドライにしたものなら一年中楽しめますよね。ドライは生とはまた違った味わいで、そのままでももちろん、バターケーキやタルトに入れてもとてもおいしいです。 ドライフィグ(イチジク)は成城石井や明治屋でも求められますが、トルコの上質なものをお探しの方は、例えばタリシュ社のインタスコドライド・フィグが「京橋千疋屋」「ソニープラザ銀座店」などで入手できますよ。